58分
また南アフリカはPR2枚を交代している。ムタワリラに代わってキッツォフ、マルハーバに代わってコッホが入っている。そもそもスクラムで強さを見せてきた南アフリカだが、人材が本当に豊富過ぎてフレッシュな2人を投入することにより、レベルが落ちることなく更にパワーアップできたようだ。投入直後にスクラムの反則でペナルティキックを獲得するも、今日のポラードにしては珍しく決められない。
52分
ムタワリラの獲得したペナルティキックを、30mほどの距離からポラードが冷静に決める。前半は日本が80%ほどのボール保持率となっていたが、今は南アフリカがよりアグレッシブに奪いにいくようになった一方、持つときは日本のスピードに合わせるのではなく、ラックを活かしてキープしながらゆっくり前へ進んでいる。そして、機会を見たときに得意なキックも利用して、松島と福岡、山中にプレッシャーをかけている。
46分: NO TRY!
デュトイのトライ!だと思ったら、パスが前にいってしまっていたので、また認められない。後半立ち上がりから南アフリカが攻め続け、タックルの激しさを生かして敵地でボールを奪取している。日本が深いところから相変わらず素早いテンポでパスを繰り返しているが、今の時間帯はそれがいきなり裏目に出る流れとなってしまっている。
43分: 日本 3-8 南アフリカ
後半開始からいきなり南アフリカの攻撃!高いキックを追いかけてマピンピがゴールラインへ迫り、空中戦で松島が手を出して首あたりにぶつけてしまうが、レフェリーの見解では2人ともボールしか見ていないので反則は無し。しかし、すでに南アフリカのアドバンテージだったので、それに戻って、ポラードがペナルティキックで成功。
ちょ、ちょっと。これまで3つの準々決勝は、十分面白い試合ではあったが、この試合が圧倒的に一番決勝トーナメントらしいわ。点数こそ少ないが、決して守備的な内容ではなく、むしろテンポが半端なく高くて、文字を打つ指が間に合わない。
土壇場に南アフリカが2回目のトライを決めたと、恐らく南アフリカの関係者も思っていただろうが、なんとか両手を出していた山中亮平のタックルが成立していたとのことで認められなかった。これは精神的に大きいだろう。
南アフリカは確かにまだリードしているが、まだ3-5とすごく僅差だ。そして、逆襲になった際は南アフリカの迫力とプレーの加速が素晴らしく、日本がボールを失ったときにそれにやられてしまうリスクは常に存在するが、基本的にテンポを握っているのは日本の方であり、南アフリカはフィジカルの強さでそれを止める流れとなっている。
南アフリカからすれば、思い通りにいっていないはずだ。試合開始前に注目選手として上げたデクラークもお見事だが、守備の局面では田村が負けない。
前半終了: 日本 3-5 南アフリカ
NO TRY! 42分
南アフリカのアドバンテージだから前半はまだ終わらない。22mラインまで蹴り、ラインアウトも無事に成功。モールで少しずつ日本を押し込み、デクラークがようかくデアリエンディへ出す。いくつかタックルを受けながら頑固に前へ進み、ゴールラインまで超えるも、一度タックルが完了したあとボールをリリースせずにそのまま立ち上がってプレーを続けたので、ノートライだ。これで前半終了!
Updated
35分
逆襲のときは南アフリカの迫力はすごい。コリシの激しいタックルによって南アフリカがリーチからボールを奪って、速やかに左サイドへ展開。ルカンヨ・アムが運ぶとスピードのあるWTBマカゾレ・マピンピが余っているが、パスが失敗して深い位置で日本のラインアウト。そこから南アフリカがまたすぐ日本の22mラインを超えたところで奪うが、オブストラクションの反則で日本のペナルティへ。少しほっとする。
27分
なんと言っても日本のテンポは速い。南アフリカは非常に多くのタックルを余儀なくされ、25分経過の時点ではタックルの数が11-63とほぼ日本の6倍だ。なかなかマイボールにできていない。しかし、南アフリカのタックルはさすが、強いもので、日本にとってフェーズを繰り返して進むことが難しいと、元イングランド代表SOのポール・グレイソンが指摘。その中、日本は色々と面白いパスを試みて、ターンオーバーのリスクも伴うが、まだまだ日本の押し込む時間帯が続く。ボール保持率がなんと81%まで上がっている。
24分
ホームアドバンテージというものはどこにも存在すると思うが、イギリスのメディアでは日本に独特な雰囲気があるとの指摘がある。具体的に、ペナルティを獲得したときでも、欧州や南半球ならなかなかありえないくらい、大きな声援が挙がる、とのこと。難しい時間帯を乗り越えて、数的有利を生かして勢いを増して、場内がすごく湧いている。
19分 日本 3-5 南アフリカ
田村がペナルティで成功して、点差が2へ!南アフリカのスクラムだったが、反則を犯してしまい、中央から若干左、30メートルほどの距離から日本が蹴ることにしていた。これでイエローの10分間が終了し、ムタワリラがピッチに戻れる。
Updated
15分
数的有利となった日本は日本らしく攻撃!福岡、山中が素早く突破して一気に推進。7つのフェーズで自陣から相手のゴールライン付近まで進み、ペナルティを取れたかと思ったら具智元が横から入ってしまっていた為、南アフリカのボールだった。しかし、完全に日本が押し込む時間帯となった。数的有利を活かし、キックを減らして飛び出しとスピードをどんどん増やしている。
11分
南アフリカにイエロー!今日が100試合目の先発起用となる、PRテンダイ・ムタワリラが稲垣啓太を高く持ち上げてしまい、危険なタックルだ。TMOにいくことなく、イエローがすぐに出た。日本がこれで一旦、数的有利となる。それを受けて南アフリカは一旦FLシヤ・コリシに代わって控えのPRスティーヴン・キッツォフを投入。また日本は早速、ピーター・ラブスカフニに代わってアマナキ・レレイ・マフィを投入。
Updated
8分
日本も高いキックを試して、直ちに反撃のリズムを掴もうとしている。というか、南アフリカをしっかり研究し、その弱点をつくようなキックを繰り返している。とくにSHデクラークの裏にショートキックを入れて、リーチらがそれを追っていく。なんと言っても試合のテンポが序盤から非常に早く、切り替えの多いカオスとなっている。日本は先制されたとはいえ、このアプローチが今の所ではうまく機能している。
TRY! 日本 0-5 南アフリカ
4分
そのスクラムからデクラークが簡単にWTBマピンピに出し、田村のタックルを素早い飛び出しで交わす。そのまま進み、ゴールライン付近で山中のタックルも間に合わず、南アフリカが先制!ただし角度が難しく、コンバージョンは失敗。
Updated
2分
デクラークのキックから日本のラインアウト。日本が成功して、自陣の22mライン付近で速やかに右から左、左から右へと展開するが、チャンスが見えたからと思ったらパスが前に出てしまい、南アフリカのスクラムだ。
爆発的な攻撃が魅力の両チーム背番号14、松島幸太朗とチェスリン・コルビが大いに注目を浴びるだろう。しかし、鍵を握るのはひょっとすれば南アフリカのSHファフ・デクラーク、そして日本のSO田村優になるかもしれない。
南アフリカはボックスキックをはじめとするキックの戦術が見どころであり、SHの人材が本当に豊富だ。カナダ戦で3トライを上げたコブス・ライナックが控えにも入らないくらいだ。デクラークのプレーが試合の流れを左右すると思われるが、南アフリカ国内では調子の好不調が批判の対象になることもある。今日は果たしてどんなパフォーマンスを見せるだろう。
南アフリカの先発15人は以下の通りだ。
1-テンダイ・ムタワリラ、2-ボンギ・ンボナンビ、3-フランス・マルハーバ、4-エベン・エツベス、5-ルード・デヤハー、6-シヤ・コリシ、7-ピーター=ステフ・デュトイ、8-ドウェイン・フェルミューレン、9-ファフ・デクラーク、10-ハンドレ・ポラード、11-マカゾレ・マピンピ、12-ダミアン・デアリエンディ、13-ルカンヨ・アム、14-チェスリン・コルビ、15-ウィリー・ルルー
控えはやはりフォワードが多い。
16-マルコム・マークス、17-スティーヴン・キッツォフ、18-ビンセント・コッホ、19-RG・スナイマン、20-フランコ・モスタート、21-フランソワ・ロウ、22-ハーシェル・ヤンキース、23-フランソワ・ステイン
さて、既に発表している両チームのメンバーをおさらいしましょう。まずは日本代表。
1-稲垣啓太、2-堀江翔太、3-具智元、4-トンプソン・ルーク、5-ジェームス・ムーア、6-リーチ・マイケル、7-ピーター・ラブスカフニ、8-姫野和樹、9-流大、10-田村優、11-福岡堅樹、12-中村亮土、13-ラファエレ・ティモシー、14-松島幸太朗、15-山中亮平
控えは以下の通り:
16-坂手淳史、17-中島イシレリ、18-ヴァル・アサエリ愛 、19-ヴィンピー・ファンデルヴァルト、20-アマナキ・レレイ・マフィ、21-田中史朗、22-松田力也、23-レメキ・ロマノラヴァ
昨日の準々決勝2試合では、イングランドとニュージーランドがそれぞれオーストラリアとアイルランドを相手に、最終的に点差をつけてベスト4へ進出を決めた。
また先程、大分で行われた試合ではフランスがリードして折り返すも、後半に退場者が出てしまい、ウェールズがようやく逆転して20-19の僅差で勝利した。従って、日本と南アフリカの勝者は準決勝では、ウェールズと対戦することになった。
それに対して、南アフリカのヘッドコーチ、ラシー・エラスマスはこうコメントしている。
「日本の戦い方を見ると、彼らは前半終盤、後半終盤に疲れが見える相手の守備的なフォワードに付け込んでくる。うちのチームは、しっかりとしたフォワード陣が2セットいるから、日本が使おうとしているスペースを消せると考えている」
日本代表のヘッドコーチ、ジェイミー・ジョセフは、南アフリカ戦に向けてこのコメントを残している。
「ひとつ明らかなのは南アフリカが何をしてくるか。それはセレクションを見れば分かる。控えに6人のフォワードを入れている。珍しいことではないが、フィジカルでダイレクトなアプローチで押しかけてくる。相手にボールを渡してフォワードのディフェンスで相手をつぶして勝機を見てくる」
「我々はそれに対してしっかり準備をしてきた。明確でないのは、我々が相手に何をするのか。それが楽しみ」
というわけで、今日の日本代表は実力勝負で南アフリカと戦うことになる。だが、非常に難しく、強い相手になるという点には変わりがない。つい先月、9月6日の熊谷で行われたW杯壮行試合では、日本が同じ南アフリカを相手に7−41と大敗を喫した。本大会では、初戦こそ優勝候補のニュージーランドに敗れるも、スプリングボクスはナミビアに57−3、イタリアに49−3、そしてカナダに66−7と3試合連続で圧勝を続けてきた。
ラグビーには「ティア1」と「ティア2」の代表チームがあり、後者にとって、リソースの集中されている前者に一勝でも上げることは極めて難しいことだとされてきた。また、定期的に対戦する機会もW杯以外では少ない為、4年に一度しか訪れないこの時期に英国などでは「ティア1」と「ティア2」のギャップが話題となってくる。
例えば、BBCが昨日、この特集を公開した。データによると、試合結果の点差は少し縮まっているのだが、それでもティア2勢が負ける前提であり、「番狂わせ」の数が完全に横ばい、とのことだった。その中、ここ2大会連続で、ティア1勢を相手に勝利を上げた、ティア2勢は日本代表だけだ。
しかし、日本代表の勝利はもはや「番狂わせ」と呼んで良いのか?4年前の南アフリカ戦は確かにそうだったかもしれないが、今年は違う気がする。日本は4試合全勝で首位通過している。アイルランド戦、そしてスコットランド戦では幸運のおかげ、というのではなく、純粋に実力で勝利を上げたと言って良いだろう。
その中、英国や南半球勢の国々では、議論の焦点が少し変わってきている。日本はそろそろ、ティア1のチームとして認めるべきなのではないか?
序文
あれから4年。いわゆる「ブライトンの奇跡」で、ラグビー日本代表が競合南アフリカと激戦を繰り広げ、最終的に34-32のスコアで撃破した。ラグビーW杯だけではなく、ラグビーというスポーツそのものの史上最大の番狂わせとまで言われた。引き分けのチャンスで妥協することなく、大胆にトライと勝利を狙って成功した、エディー・ジョーンズ監督の日本代表が世界を驚かせ、世界を魅了した。
本日、またW杯で「スプリングボクス」と再会することになっている。だが、今回の舞台は日本、東京だ。しかも、4年前には手が届かなかった、準々決勝の舞台だ。
こんばんは、ガーディアン紙のライブブログにようこそ!去年、サッカーW杯の際に日本語版へ展開した企画ですが、この歴史的な日にラグビーの大一番もここで、日本語で、楽しく追求していきたいと思います。一般的な「速報」というよりも、このライブブログでは筆者の主観的な感想やエモーショナルな部分も加え、皆様とともに試合の感動を共有していけたらと思っています。
私は大阪在住のイングランド人コメンテーター、ベン・メイブリーと申します。主な仕事はサッカー解説ですが、ラグビーも幼い頃からファンとして見ており、特にW杯になると、8歳だった1991年大会以来、毎回毎回必ずハマってしまいます。どうぞ、お手柔らかに。